喘息 (ぜんそく)・咳喘息
喘息 (ぜんそく) とは、空気の通り道がせまくなってしまい、咳や呼吸困難の発作をくり返してしまう病気です。
発作時には咳き込んで息がしづらかったりヒューヒューといった音が聞こえますが、発作が起きていないときには症状は全くありません。
しかしながら、適切な治療を受けずに放置すると発作の頻度が増え、最悪の場合には命に関わる状態に至ります。
症状が治まった後も、吸入薬による治療をつづけることが大切です。
近年、咳喘息の患者さんが増加してきています。咳喘息は、喘息に特徴的なヒューという音がせず、咳のみがみられるタイプの喘息で、気管支喘息の前段階と考えられている病態です。放置すると3人に1人は気管支喘息に移行するといわれています。長引く咳は、咳喘息が原因となっていることがあります。咳でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
原因
子供の喘息は、ハウスダストやダニなどのアレルギーが原因であることが多いです。
一方、大人の喘息はアレルギーの要素は少なく、アレルゲン検索を行って原因物質が明らかになる人は約6割で、残りの4割の人では原因を突き止めることができません。タバコや大気汚染などの環境因子に加え、肥満や遺伝子素因が複雑に関係しているといわれています。
喘息は、空気の通り道である気管支が慢性的に炎症を起こし、むくんでいる状態です。
ハウスダストやダニ、気温や気圧の変化 (冷気や雨天) 、疲労やストレス、タバコの煙、運動、季節の変わり目といったものが引き金となって発作が起こります。人によって発作を引き起こすきっかけは異なります。自分がどんなときに発作が起きやすいのかを把握して、発作を起こさないように気をつけることが大切です。
症状
発作が起こると呼吸困難となり、激しい咳や「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった音が聞こえます。
咳喘息の場合はそのような音は聞こえず、咳だけが出ます。
喘息・咳喘息ともに症状は夜間~明け方にかけて起こることが多いです。
発作が起きていないときには症状はありません。しかしその間にも気道は常に炎症を起こし、少しずつ狭くなっていきます。そうなると発作の回数が増え、吸入薬の効果も落ちてしまいます。
そのため、症状が出ているときだけではなく、症状が治まっているときにも吸入薬による治療を行い、咳の発作を起こさないことが大切です。
検査
胸部レントゲン検査を行い、肺や心臓に喘息以外の病気が隠れていないかを検査します。
呼吸機能検査で肺活量や空気の吐き出しやすさを測定します。
血液検査でアレルギーの検査ができます。スギ、ヒノキ、ブタクサといった季節性のアレルギー物質からハウスダスト、イヌ、ネコといった季節を問わないアレルギー物質まで幅広く検査することができます(ただし検査項目には限りがあるため、頻度が高いものを中心に検査します)。
血液検査によるアレルギー検査をご希望の方はお気軽にご相談ください。
治療
喘息の治療は、2本の柱に基づいています。一つは発作時の症状の緩和であり、もう一つは発作を予防することです。
発作時には、即効性のある気管支拡張薬を使用します。
症状が安定してからも、吸入ステロイド薬を継続して、発作が起きないようにします。
吸入薬にはさまざまなタイプが存在し、定期的な投与と発作時の使用を両方行えるものもあります。詳細については医師にご相談ください。
喘息は発作が起きるたびに気管支に負担がかかります。適切な治療により発作を防ぐことが最も重要です。また、発作の引き金を把握し、発作を起こさないように気をつけることが大切です。
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