メニュー

尿ナトカリ比とは?薬に頼らずに血圧を下げる方法について解説

こんにちは、広島市中区の本通水田内科クリニック院長の水田 隆誠です。

「尿ナトカリ比 (尿ナトリウム/カリウム比)」について解説しました。

食塩をとりすぎたり野菜不足になると、この数値が高くなります。

この数値を指標にして食事内容を見直すことで、高血圧の予防・よりよい高血圧の管理、さらには心臓病や脳卒中の予防につながることが期待されています。

読んでくださった方にとってこの記事が少しでも役立つ情報となれば幸いです。

高血圧についての一般的な内容は以下のページで解説しておりますので、併せてお読みください。

【高血圧について解説】

目次

「尿ナトカリ比」とは?

尿ナトカリ比は、塩分 (ナトリウム) と野菜等 (カリウム) の摂取バランスを表す指標です。

食塩摂取が過剰になったり野菜に多く含まれるカリウムの摂取が不足すると数値が上昇します。

ナトリウム過剰とカリウム不足は、それぞれ単独で高血圧につながることが知られています。

特にカリウム摂取の重要性について、日本よりも高血圧に由来する心疾患の多いアメリカで行われた研究で、高血圧を防ぐ効果が示された食事があります。

その名を「DASH食」といい、Dietary Approaches to Stop Hypertension (高血圧を防ぐ食事方法) の頭文字をとったものです。

DASH食のポイントは2つあり、①カリウム・マグネシウムなどのミネラルを多く含む野菜や海藻、果物、ナッツ類、全粒穀物を十分に摂取すること ②肉類 (飽和脂肪酸) を減らし魚 (不飽和脂肪酸) 摂取を増やす、というものです。

カリウムやマグネシウムといった“天然の降圧薬”を十分に摂取することで、薬に頼らずに血圧を下げる効果が期待できます。

食事でこれらのミネラルを十分に摂取できているかどうかを簡単に知る方法が、尿ナトカリ比です。

尿ナトリウムと尿カリウムの比は、ナトリウム・カリウム単独の値よりも高血圧との関連が強いことが報告されています1)。また、複数の研究で尿ナトカリ比が低いほど高血圧のリスクが低いことが報告されています。

尿ナトカリ比を調べることで、自身の食事内容が適切かどうかを知ることができます。

尿ナトカリ比に関する知見が蓄積しつつある中、この度令和6年10月に日本高血圧学会から尿ナトカリ比の目標値が設定・発表されました2)

日本高血圧学会では、尿ナトカリ比<2未満を至適目標、<4未満を実現可能目標としています。

塩分摂取を減らすとともに野菜摂取を心がけ、尿ナトカリ比を<4未満に抑えることで、薬に頼らずに高血圧を予防・管理し、将来の心臓病・脳卒中を予防することが期待できます。

「尿ナトカリ比」を調べるには?

「尿ナトカリ比」は、尿検査で簡単に調べることができます。

検査を希望される方はお気軽にご相談ください。

「尿ナトカリ比」を調べるには何科を受診すればいい?

高血圧は心臓に関わる病気であり、循環器内科に受診することをおすすめします。

本通水田内科クリニックでは循環器内科の診療を行っております。

当院は高血圧の治療に最も力を入れています。

食事・運動をはじめとした生活指導を第一とし、薬は必要に応じて医学的に適切なタイミングで始めることを原則としています。

高血圧の診断・検査・治療に関するご相談はいつでも承ります。予約不要で受診できますので、まずはお気軽にご来院ください。

参考文献

1)Tabara Y, Takahashi Y, Kumagai K, et al. Descriptive epidemiology of spot urine sodium-topotassium ratio clarified close relationship with blood pressure level: the Nagahama study. J Hypertens.33:2407-13, 2015.

2)Hisamatsu T, Kogure M, Tabara Y, et al. Practical use and target value of urine sodium-to-potassium ratio in assessment of hypertension risk for Japanese: Consensus Statement by the Japanese Society of Hypertension Working Group on Urine Sodium-to-Potassium Ratio. Hypertens Res (2024).

記事執筆者 本通水田内科クリニック院長 水田 隆誠
広島大学医学部医学科卒
「北海道/道東」内科専門研修修了
日本専門医機構認定 内科専門医 (2023年10月1日現在)

 

関連ページ

循環器内科

高血圧

糖尿病

脂質異常症

トップページに戻る

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME