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「心臓が痛い」原因は?「心臓の痛み」について解説

こんにちは、本通水田内科クリニック院長の水田 隆誠です。

「心臓が痛い」という症状について解説しました。

心臓の痛みは、他のどんな症状よりも患者さんが不安に感じることがある症状だと考えます。

心臓の痛みは重症な病気の兆候であることも多く、早期の認識と適切な対処が不可欠です。

読んでくださった方にとってこの記事が少しでも役立つ情報となれば幸いです。

目次

「心臓が痛い」という症状

「心臓が痛い」という症状は、医学的には胸痛 (きょうつう) といいます。

胸痛には様々な症状があり、具体的に挙げると次のようなものがあります。

●胸がしめつけられるように痛い

●胸が押されるように痛い

●胸が焼けるように痛い

●胸が引き裂かれるように痛い

●胸がズキッと痛い

●胸がチクチク痛い

●胸がピリピリ痛い

ご自身の症状がどんな症状なのか、具体的に説明できると医師の診断の助けになります。

 

「心臓が痛い」原因

「心臓が痛い」症状を医学的に胸痛と呼ぶことはすでに述べました。

医学的に「胸部」に分類される部位にはたくさんの臓器があり、そのすべてが胸痛の原因となります。

●心臓

●大動脈

●肺

●胃食道

●皮膚、肋骨、神経、筋肉など

①狭心症、心筋梗塞

胸が締め付けられるような痛みや押さえられるような痛みがあるときに考えなければならない病気が、狭心症・心筋梗塞です。

高血圧や脂質異常症などの生活習慣病やたばこが原因で心臓の血管が細くなったり詰まったりしておこる病気です。

痛みの特徴は、胸が締め付けられるようであったり圧迫されるようなものであることです。また、左腕、背中、あごに痛みがみられることもあります。

症状が数分~長くても20分以内に治まる場合は狭心症を疑い、20分以上持続する場合は心筋梗塞を疑います。心筋梗塞はただちに命に関わる病気ですので、症状から疑わしい場合はすぐに救急車を要請することが大切です。

狭心症の場合は外来で心電図や冠動脈CTなどの詳しい検査を受け、安定狭心症と診断されればお薬による治療を行います。当院では心電図検査のみ実施可能ですが、冠動脈CTは当院から専門病院の予約をお取りできますのでご安心ください。

狭心症では、発作時の治療薬として舌下錠が処方されます。舌下錠はニトログリセリンという血管を拡げるお薬で、舌下の粘膜から吸収され飲み薬よりも速効性が高いのが特徴です。

②弁膜症

僧帽弁逸脱症では胸がチクッと痛むような症状がみられることがあります。聴診で収縮中期にクリック音が聴かれます。

大動脈弁狭窄症では心臓の出口にある大動脈弁が動脈硬化によって狭くなります。その結果心臓に十分な血液が送られず狭心症と同じような症状が現れます。

大動脈弁狭窄症は聴診器を当てると心雑音が聞こえるのですぐに気づくことができます。

当院では心臓弁膜症が疑われる患者さんには予約不要ですぐに心臓超音波検査を受けていただけます。

弁膜症では外科的治療あるいはカテーテル治療が必要となるため、診断後は専門医療機関に紹介いたします。

③大動脈解離、肺血栓塞栓症

大動脈解離とは全身に血を送っている源の大動脈の壁が裂ける病気です。高血圧が危険因子です。突然胸や背中が引き裂かれるように痛む症状が現れます。

肺血栓塞栓症は肺に血を送っている肺動脈に血栓がつまる病気です。足の静脈にできた血栓が原因となります。長時間同じ姿勢で足を動かさずにいることが原因となります。飛行機のフライトによる「エコノミークラス症候群」という別名が有名です。

いずれも命に関わる病気のため、疑われる場合はすぐに救急車を要請することが大切です。

④気胸、胸膜炎、心膜炎

肺の一部が破れてタイヤのパンクのように空気が漏れてしまう病気が気胸です。胸の痛みが深呼吸で強くなるのが特徴です。

細菌感染などで胸膜に炎症を起こしたものを胸膜炎といいます。ウイルス感染などで心膜に炎症を起こしたものを心膜炎といいます。

どちらも鋭い痛みで深呼吸で強くなるのが特徴です。

⑤胃食道逆流症、胃潰瘍

胃酸が食道に逆流すると、胸が焼けるような痛みや不快感がみられます。

胃潰瘍ではみぞおちあたりに痛みがみられます。

ピロリ菌が原因となっていることもあり、診断のためには胃カメラによる検査が大切です。

治療は胃酸を抑える飲み薬です。

⑥帯状疱疹、肋間神経痛

水痘帯状疱疹ウイルスというヘルペスウイルスの一種が原因となり、皮膚の神経に沿った痛みや皮疹をおこす病気を帯状疱疹といいます。

ピリピリ、ズキズキとした痛みが特徴です。

初期には皮疹がみられず痛みだけがみられ、数日経ってから赤いポツポツとした皮疹が出現することがあります。

後遺症として神経痛が残ることがあり、発症48時間以内の治療開始が重要です。

帯状疱疹が疑われる場合は早めの医療機関受診が大切です。

帯状疱疹には予防接種 (ワクチン) があります。

接種をご希望の方はこちらをご覧ください。

 

「心臓が痛い」症状は何科を受診すればいい?

心臓が痛い症状がある場合、循環器内科に受診することをおすすめします。

本通水田内科クリニックでは循環器内科の診療を行っております。「しっかり調べてほしい」という方から「ちょっと気になる」という方まで、どなたもお気軽にご相談ください。

 

記事執筆者 本通水田内科クリニック院長 水田 隆誠
広島大学医学部医学科卒
「北海道/道東」内科専門研修修了
日本専門医機構認定 内科専門医 (2023年10月1日現在)

 

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